たたき染めは、葉っぱやお花を布に挟んでトントンと叩き、植物の色や形を写し取る遊びです。
自然の色がそのまま映し出される、季節を感じられるものでした。
今回は、子どもたちにとって初めてのたたき染め。
活動を始めたばかりの子の完成品を見た周りの子どもたちからは、「わあ!すごい」「きれい!」「やってみたい!」という声が上がり、わくわくした気持ちが広がっていくのが伝わってきました。
その後、年長さんたちと一緒に園庭に植物を集めに行きました。
鮮やかなピンク色のコスモス、ミントの葉、紅葉し始めた木の葉、小さい白や青のお花、穴が開いた葉っぱ、紫蘇など、いろんな植物を見つけてくれました。
「このお花かわいい!」「みて!これとかいいんじゃない?」「これ(ほそながいお花)でやったらどうなるんだろう」「これつかってみたい!」と、たたき染めに向けてイメージを膨らませながら友達と楽しそうに話す声があちこちから聞こえてきました。
早速、部屋に戻ってたたき染めの準備。
どこにどの植物を配置しようかなと考えながら、たたきはじめます。

「どん!どん!どん!どん!」
そんな大きな音が部屋中に響きました。
最初はみんなが力強く叩いていましたが、保育者から「強く叩きすぎるとうまく色が出ないよ」と声をかけられたことをきっかけに、子どもたちは叩き方を少しずつ工夫しはじめました。

細かく「とんとんとん」と叩く子、くるくると円を描くように叩く子、ぐりぐりとこするように石を動かす子など、様々な姿が見られました。

「こすった方がいい色になった!」という声を聞いて、周りの子も真似して試してみるなど、活動の中で自然と学び合いも生まれていました。

子どもたちは静かに集中して取り組んでいて、それぞれが自分のやり方で試しながら、夢中になって叩いていました。

中には、どうなっているか気になって、色がきちんと出る前に布をずらして見てしまい、お花の形が崩れてしまった子もいました。そうした経験を通して、途中で見たい気持ちをこらえながら、最後までそっと押さえて進める姿も見られるようになりました。
活動の中で、「この葉っぱはかたいから、色が出にくいな」「こっちのほうがやわらかくて出やすい!」という発見もあり、後半は色が出やすそうな葉っぱを自分で選びながら進めていました。
たたき終わった布は、最後にミョウバンを入れたお湯につけて色止めをし、やさしく洗って乾かしました。
子どもたちは「どんなふうに仕上がるかな?」と、完成を楽しみにしていました。
世界に一つだけの、自分の手で作ったたたき染め。
自然の色や感触を感じながら、夢中になって取り組んだ子どもたちの姿がとても印象的でした。
おまけ
トントントンとリズムよく響く音に誘われて、0歳児クラスのお友だちが様子を見に来ました。
遠くからじっと見つめていた子が、少しずつ近づいていき、机のそばでじっと集中して観察している姿がありました。
「○○ちゃんも見に来たみたい」と話しながら、ニコニコと見守る年長さんの姿も印象的でした。

4・5歳児担当