好きな遊びの時間、製作が好きな年長の女の子が一人で折り紙に向かってじっくりと手を動かしていた。折り紙を丁寧に折りながら、時々「“え”ってどうやって書くんだっけ?」と友達に聞いたり、あいうえお表を見たりしながら、一文字ずつゆっくりとひらがなを書いている。しばらくして、「これプレゼント!まだなんだけど、もうすぐ卒園だから」と、折り紙で作ったお守りを手渡してくれた。お守りには、一つひとつ名前が書かれている。友達に聞いたり表を見たりしていたのは、先生たち一人ひとりの名前を書こうとしていたからだった。

 

 その様子を見ていた年長の男の子は、女の子に「何作ってるの?」と声をかけ、「プレゼント作ってるの」と聞くと、じっと女の子の手元を見つめていた。そして少しすると、何かを思いついたように折り紙を取りに行き、自分も作り始めた。照れた様子で「これ作った!もうすぐ卒園して小学校にいっちゃうから」と話しながら、ハートの折り紙をプレゼントしてくれた。そこにも、一つひとつ名前が丁寧に書かれていた。

 次の日、「今日ね、帰りのときプレゼントある!」と、別の子も嬉しそうに教えてくれた。降園の時間には、紙袋いっぱいに折り紙の花を入れ、先生たち一人ひとりに手渡していく姿が見られた。

 卒園式を終え、「もうすぐお別れなんだ」という気持ちが、子どもたちの中に少しずつ広がっているように感じられる。これまで一緒に過ごしてきた人たちに、「ありがとう」の気持ちを伝えたい―そんな思いが、それぞれの形になって表れていた。

 最初の女の子は「ハートが折れないからお守りにしたの」と話しており、自分にできることを考えながら、相手に思いを届けようとしていた。折り紙を折る手つきや、ゆっくりと書かれた文字の一つひとつからも、そのやさしい気持ちが伝わってくる。

 また、その姿に心を動かされるように、他の子たちも自分なりの形で表現していた。友達のしていることを見て、「自分もやってみよう」と思い、行動に移していく姿も印象的だった。

 名前を書いたり、丁寧に折ったりしながら、相手のことを思い浮かべている子どもたち。そのまなざしや手の動きには、あたたかい気持ちが込められているように感じられる。子どもたち一人ひとりの「ありがとう」は、それぞれの形となって、まわりの人へとやさしく広がっていた。

4・5歳児担当